内部告発 サラリーマンのごみ箱メールマガジン 編集後記  

2005年09月17日

JR不採用訴訟 差別認め14億円支払い命令 東京地裁

JR不採用訴訟 差別認め14億円支払い命令 東京地裁





横断幕を掲げて東京地裁に入る鉄建公団訴訟の原告団=東京都千代田区の東京地裁で15日午後0時29分、手塚耕一郎写す
 
 87年の国鉄分割・民営化に伴う労働組合員らの大量不採用問題で、JR各社に採用されずに国鉄清算事業団を解雇された国労組合員ら297人が、事業団を引き継いだ独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に雇用関係の存在確認と未払い賃金や慰謝料計432億円余の支払いなどを求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は「JRへの採用に絡んで組合員を不当に扱う差別があった」と認定し、ほぼ組合員全員に1人当たり500万円、総額14億1500万円の慰謝料支払いを同機構に命じた。
 不採用問題を巡り、組合差別の不当労働行為や慰謝料支払いを認めた司法判断は初めて。原告側は、雇用関係の存在が認められなかったのを不服として控訴する。
 分割・民営化に伴うJR各社の社員採用は、国鉄側が提出した「候補者名簿」を基にJRの設立委員が採用者を決めたが、国労を中心とする組合員は不採用になった。最高裁は03年12月、組合員救済を命じた中央労働委員会の命令取り消しをJRが求めた訴訟で「組合差別があった場合の責任は、国鉄と清算事業団が負う」とJR側の責任を否定して、命令を取り消していた。
 原告側は今回の訴訟で「組合差別で不利益を受けた」と主張。判決は、原告らを候補者名簿に記載しなかった行為について「国労組合員と、民営化に賛成した他の組合員の間には採用率に顕著な差がある。組合活動を嫌悪して能力や勤務態度の評価を恣意(しい)的に低くし、不利益に取り扱ったと強く推認できる」と指摘。組合差別による不法行為があったと認定し、55歳以上など採用基準外だった5人を除き、慰謝料の支払いを命じた。
 一方、雇用関係の存在については「民営化に伴う再就職促進法の失効時(90年4月)に事業団との雇用関係が終了することが予定されていたというべきで、解雇は合理的。組合差別の有無にかかわらず、事業団が原告をJRに採用させる義務はなかった」と認めなかった。賃金支払いについても「不当労働行為がなければ、JRに必ず採用されたとは言えない」と退けた。【井崎憲】
 ▽原告団の声明 判決は18年間の闘いが正しかったことを証明した。しかし、解雇の不法行為を認めないなど全般的に極めて不十分。目標は、あくまでも鉄道員として地元JRに復帰すること。闘いの場は控訴審に移ることになろうが、1審以上に団結を強める。
 ▽鉄道建設・運輸施設整備支援機構の柳原拓治・国鉄清算事業本部管理課長の話 解雇は有効と判断したものの、候補者名簿の作成にあたって国鉄の不法行為があったと認定し慰謝料請求を容認したことは極めて残念。今後、内容を詳細に検討し対応を決めたい。
 ◆JR不採用問題◇
 JRへの就職を希望しながら不採用となった国鉄職員は約7600人で、転職できずに最後まで清算事業団に残った1047人が解雇された。うち966人は国労組合員で、解雇者の大半は北海道、九州の勤務者。00年5月、当時の与党(自民、公明、保守)と社民の4党間で、JRの法的責任を問わない代わりに再雇用や和解金を検討することで合意。国労は受け入れを決めたが、組合差別を認めさせようとする原告らが反発して02年1月に今回の訴訟を起こした。原告団は遺族を含め北海道240人、九州54人、本州3人。
 ◇判決を契機に解決への道を
 JR不採用問題を巡る15日の東京地裁判決は初めて組合差別の存在を認め、一度は閉じかけた救済に光を当てた。だが、原告、被告双方が判決内容を不服としており、裁判が長期化する可能性もある。国鉄の分割・民営化がもたらした「負の遺産」が風化する前に、政府や国労など当事者は、判決を契機にして解決への道を探るべきだろう。
 問題の長期化の背景には、中央労働委員会と司法の判断のねじれがあった。中労委は93〜96年にかけて旧国鉄の組合差別を不当労働行為と認定。旧国鉄とJRに実質的な同一性を認め、一部に救済命令を出した。ところが、これをJRが不服として提訴した行政訴訟では、判決は1審から最高裁まですべてJRの責任を否定した。
 行政訴訟での敗訴を受け、国労内部では解決方針を巡り激論になった。「戦後最大級の首切りがありながら、誰も法的責任を取らないのは許されない」との原則論を重視した原告たちは、国労本部の方針に反して提訴。その結果政治解決は遠のき、混迷は深まった。
 国鉄民営化は合理化の成功例として語られるが、最終的に解雇された1047人の救済は置き去りにされ、多くの組合員らは厳しい生活を強いられている。今回、組合差別の存在をはっきり認めた点では、中労委の認定時の「振り出し」にようやく戻った形だ。訴訟当事者でないJR各社も今回の判断を重く受け止め、解決に協力する姿勢が求められる。

posted by リーマン at 04:09| 京都 ☁| Comment(1) | TrackBack(1) | 賃金(給与) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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押し後残します
Posted by 人妻 at 2008年01月26日 15:35
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