内部告発 サラリーマンのごみ箱メールマガジン 編集後記  

2005年07月11日

天下り:浮き彫りになったネットワークの強さ

天下り:浮き彫りになったネットワークの強さ
 橋梁(きょうりょう)談合事件を受けて、日本経団連が内部で検討を進めてきた「天下りの受け入れ自粛」は、結局正式の会議で議案に上ることもなく、消え去った。「談合根絶の究極の策」として検討の俎上(そじょう)に上ったが、官民の「職業選択の自由を奪うもの」「余りに非現実的」との大合唱にかき消された形。改めて日本経済に根付く“天下りネットワーク”の強さが浮き彫りになった。【須佐美玲子、町田明久、山本明彦】

 経団連が天下りの受け入れ自粛に向けて検討に動いたのは、経団連副会長を出している主要企業2社を含む会員企業15社が橋梁談合事件に関与し、経団連活動の3カ月間自粛処分という異例の事態となったためだ。

 そもそも経団連の本音は、「談合を暗黙で了解している官の側にも責任がある」というもの。昨年の独占禁止法改正をめぐる論議では、発注者側の官の責任も問う規定を法制化するよう求めた経緯がある。

 そこで起きたのが今回の談合事件だった。談合を主導したのが官庁からの天下り組とされたこともあって、「民間企業だけの責任で済ましてはいけない」との主張が、経団連内部で強まっていったとみられる。

 ただ、天下り自粛と言う“劇薬”は、民間企業にも官庁にも「触れてはいけないところに触れた」(大手流通企業幹部)と受け止められた。

 特に天下りがストップすると、早期退職者の受け皿がなくなってしまう霞が関の官庁にとっては死活問題だ。最も天下りの人数が多い国土交通省の岩村敬事務次官は、4日の会見で「官僚時代に得た知見、能力がある人を民間で有効に使いたいという動きはある。今回こういうこと(談合事件)があったから一律に交流をしないというのはいかがなものか」と発言。このほかも「仕事を別の角度から眺めるという考えから、官民の交流はあっていい」(農林水産省の石原葵次官)、「職員としての経験・能力を活用した再就職は、人材活用の観点から考えていく必要がある」(財務省の細川興一次官)など反発の声が相次いだ。

 経団連の足元である民間企業からも「基準を明確にして透明性を高めれば問題ない」(機械メーカー)「うちは欲しい人材だけ受け入れている。問題のある天下りと一緒にしないでほしい」(商社)など、突然の「自粛」は非現実的だとする声が上がった。ある機械メーカー幹部は「正直、いないと困るわけではない。ただ、以前から同じポストで受け入れており、受注に影響が出かねないことを考えると、こちらから中止するという選択は取りづらい」と本音を明かす。

 それらの反応を考慮に入れ、最終的に経団連は「天下り問題に一石を投じるという所期の目的を達した」(関係者)として、要請見送りを決めた。しかし、「あしき伝統を壊す好機を失した」と残念がる声もある。経団連が今回、天下り自粛を決めていれば、それに応じない企業は「天下りを受け入れ続ける理由の説明を公に求められたはず」(同)だからだ。今回の「検討」が改革の序章となるのか、単なるポーズで終わるのか、まだ「次」は見えない。

毎日新聞 2005年7月11日 20時32分 (最終更新時間 7月11日 21時18分)
posted by リーマン at 23:21| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 官公署 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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